『横浜駅SF』を読みました

先日、『横浜駅SF』を読みました。

ストーリーをざっくり紹介すると、改装工事を繰り返している横浜駅がついに自己増殖を開始し、本州の殆どが横浜駅に覆われてしまうという冗談のような設定で、たまたま18きっぷを手に入れた主人公が横浜駅のどこかにある42番出口を目指して駅内を冒険するというお話です。

これは、近未来ディストピアものと言えるんでしょうか。

何もかも駅(の中のコンピュータ)に支配されていて駅に逆らえば外へ追い出されてしまうのですからディストピアなんでしょうね。

なお、駅の外は海岸沿いの狭い土地くらいしか人の住める場所はなく、数百年続いた戦争のせいで日本以外の国がどうなったのかもよく分かっていません。

内向きといえば内向きで、箱庭SFと呼んでみても良いと思います。

今の時代の作品っぽいなと思ったのは、主人公の三島ヒロトは特に何か目的がある訳ではないところです。

42番出口を目指すのも切符をくれた人から頼まれたからというだけで、本人の希望という訳ではありません。

断ることや途中でやめることも出来たのに、ただなんとなく駅の奥へと向かって行って、結果として重大な決断を下すことになるというのが、現実にも有り得そうに感じました。

また、登場人物の心理描写があっさりしていて全体的にドライなところも今的かもしれません。

元々はTwitterでの冗談から生まれた話だそうで、色々な作品のパロディが入っているそうなんですが、あいにく私が寡聞のため分かりませんでした。

SF好きな人が読んだら、もっと楽しめるんじゃないかと思いました。

ちなみに、タイトルは横浜駅SFですが、横浜はほぼ出て来ません。

あくまでも、横浜駅の話ですから。舞台の殆どは内陸部ですしね。

まだ謎な部分も残っているので、もし続編が出るなら読みたいと思います。