「男の子のところに女の子が落ちてくるファンタジー設定の逆版をやってみようという、恋愛小説の名手、有川浩の作品です。
主人公、さやかはしがないOL。ある日、飲み会帰りに返ってくると、さやかが住むマンションの植込みに男が倒れていたのです。
死んでいるのなら警察を呼ばなくては、と身構えるが、男は行き倒れていただけだったのです。
なかなか見てくれはよい「イケメン」の部類であったその男。
「咬みません。
躾の出来た、良い犬です」と、さやかに一晩だけの宿を求めます。
さやかは、一人暮らしではあるが、自炊はほとんどせず、コンビニのお弁当で食事を済ませるズボラな女性です。
男にカップラーメンを食べさせることにします。
そして、翌朝。
台所に立って朝食を作ってくれたのは、昨日泊めた男だったのです。
男の名は「樹(イツキ)」。
「よかったら、仕事が決まるまでここにいない?」
さやかは、樹を引き留めて、自分の部屋に住まわせることにしました。
一緒に日々を過ごすうちに、樹が極度の「植物オタク」で、野草に詳しいことがわかっていきます。
そして、さやかは樹への恋心を募らせていきます。
さやかが樹への気持ちを爆発させるシーンがあるのですが、そこがお気に入りです。
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