佐藤健主演で映画化もされた「何者」就職活動を通して現代の若者が抱えている闇の部分を描いた作品です。

一遍穏やかに過ごしている日常の中で本音を押し隠し、仲間にも本音を打ち明けられない現代、そのはけ口としてのSNSの存在をうまく使い若者達が自分の存在価値を見出せずに苦しみぬく話です。

はっきり言って後味のいい小説ではないです。出てくる登場人物は誰も基本的には好感もてない人物ばかりで主人公の目線を通じてその人間の嫌な部分を惜しみなくついていきます。

またそれが、誰にでも当てはまる部分があり、自分自身の嫌な部分を再認識させられます。

その反面、普段私達がどこか小バカにしている部分もクローズアップされ、それらが明るみになる部分の爽快感もあります。

人を選ぶ小説かなと思いますが、性格が悪いと自負している人には非常に楽しめる作品ではないでしょうか。

ドロドロとまではいかないが、希望あふれる若者たちを生き生きと描く作品とは程遠い作品ですが、一つの若者たちの答えを提示している作品だと思います。

仕掛けや複線回収もほどほどにあり、文章も読みやすいので一気に読み切ることもできます。

陰口が好きな人、大学生、ひねくれた性格な人、現代の若者の価値感を知りたい人にはおすすめの作品です。