ビタミンFは重松清の短編集で、どの話も30代後半の男性が主人公です。 中年に差し掛かる、さまざまな問題を抱えた少し疲れたお父さんの目線から語りかける短編集です。 全部で8話収録されていますが、どれも大変読みやすく、楽しめる話ばかりです。 その中でも私の心に突き刺さったのは、4番目に収録されている「セっちゃん」というお話です。 この話は、セっちゃんという女の子が毎日陰湿ないじめにあっていると、娘から聞かされていたのですが、実はセっちゃんなどいなくて自分の娘がいじめにあっていたという話です。 自分の娘が今まで... Read More

この本はミステリー作家の島田荘司が書いたシャーロック・ホームズと夏目漱石を題材にしたパロディ小説です。 パロディではありますが、本格ミステリー小説でもあり、推理もちゃんと楽しめます。 物語の中ではシャーロック・ホームズが実在の人物として書かれ、ロンドンに留学中の夏目漱石と出会うのですが、当時の夏目漱石は神経を病んでおり、またシャーロック・ホームズも相当な変人として描写されるので、そのやりとりは大爆笑間違いなしというものになっています。 夏目漱石の側の描写は彼の一人称で書かれ、シャーロック・ホームズの側はお... Read More

最近読んだ小説は湊かなえ作『告白』です。映画化もされた作品で、松たか子さんのせりふが印象的なCMをよく覚えています。 なので小説を読むときも、主人公の先生の部分を松たか子さんを想像しながら読みました。 湊かなえ先生の作品は、イヤミスと呼ばれているのは知っていました。そしてこの『告白』、デビュー作だというこの作品もやはりイヤミスでした。 主人公はシングルマザーで中学校の先生、その主人公の小さい娘が担当するクラスの生徒の誰かに殺されてしまいました。その動機や先生の復讐、それらひとつひとつがさほどめずらしいこと... Read More

面白いと思ったビジネス書は、ナイキ創業者のフィル・ナイトの「シュードッグ」という本です。この本では 、世界的なスポーツ用品メーカーとなった、ナイキが 、どのように 発展したのかということが、創業者の フィル・ナイトの自伝として描かれています。 なかでも驚かされたのは 、ナイキが 、当初は、日本のスポーツメーカーである、ASICSの代理店としてスタートしたということです。 そして中でも、面白く感じたのは、フィル・ナイトが単身日本のアシックス本社に乗り込んでいって、代理店契約を取り付けてしまったことです。その... Read More

12の会社で働いた著者が、「これから」の仕事と転職のルールを書いた本です。 本業以外にも副業をすることが求められ、当たり前になってくるかもしれない時代。 そして人間の代わりにAIが仕事をする時代がやってくるかもしれないと言われています。 そんな見えない先を不安視するのではなく、「どこでも」「誰とでも」働くことはできるんだと、半ば楽観視してしまえるような内容だと感じました。 年功序列制なんてありえない時代、そして長く同じ場所で勤めあげることが美徳のように思われていた過去の社会で、今はそんなことは大切なことで... Read More

「自分に口ぐせなんかあるのかな?」と思っている人でも、人生上手くいかない、つらくてやる気がしないなど心の悩みがあるならばこの本は刺さります。 悩みのもとは自分がダメだからではなく、口ぐせに問題があるということを教えてくれる本はなかなか珍しくて新鮮味を感じられます。 「こんな方法があったんだ!」と前向きになれます。仕事で注意されたとき、すぐに「すみません、すみません」と謝ってしまうのもよくないリセットすべき口ぐせだそうです。 自分がミスして謝るのは当たり前ですが、実はそこに落とし穴があることが理解できました... Read More

『フリーター、家を買う』『阪急電車』などの原作でおなじみ、有川浩の中編です。 sideAとsideBに分かれており、二つの物語が入っています。カセットテープのA面・B面のように表裏一体化している物語。どちらも女流作家とその夫の話です。そして、そのどちらかが死ぬ話です。 sideA: 隠れて書き溜めていた小説を見られた、会社の同僚と恋に落ち、彼に勧められて作家への道を歩き出した彼女。いろいろな苦労やトラブルに見舞われながらも、着実にストーリーセラー(物語を売る人)として実績や人気を積み重ねていく。そんな中彼... Read More

「男の子のところに女の子が落ちてくるファンタジー設定の逆版をやってみようという、恋愛小説の名手、有川浩の作品です。 主人公、さやかはしがないOL。ある日、飲み会帰りに返ってくると、さやかが住むマンションの植込みに男が倒れていたのです。 死んでいるのなら警察を呼ばなくては、と身構えるが、男は行き倒れていただけだったのです。 なかなか見てくれはよい「イケメン」の部類であったその男。 「咬みません。 躾の出来た、良い犬です」と、さやかに一晩だけの宿を求めます。 さやかは、一人暮らしではあるが、自炊はほとんどせず... Read More

湊かなえの小説「ユートピア」は、地方の港町を舞台に繰り広げられる心理ミステリーです。 中心となる登場人物はそれぞれに境遇も性格も異なる女性3人。 その3人の視点からストーリーが展開されます。 お互いを信用しているようでそうでもなかったり、自分にないものをうらやんだり、3人はそれぞれの心の中にじめじめしたものを抱えています。 湊かなえの小説は、いつもそういった人間の嫌な部分がとても上手く表現されているように思います。 3人の女性の心理描写を読んでいると自分に近い部分があったり、身近な誰かと重ね合わせたりと共... Read More

終身雇用制度が危ういと言われ始めて随分経ちました。 昔と違って今は転職を繰り返しても後ろめたいと思うようなこともなく、副業を解禁している会社も増えてきました。いよいよ会社が社員を守ってくれない時代が来たのです。 必死で就活して、やっと入った会社なのに・・・首にならないように様子をうかがっているだけでは将来が危ないし、何より人生が楽しくないですよね? 著者の田端 信太郎の経歴を見ると、リクルートやLINE、ZOZOと自由な仕事ができそうなキラキラ会社の名前が並びます。文章もかなり上から目線でこちらを煽ってく... Read More

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